身悶えするように官能的な甘さのバタークリームを、ぐるりぐるりとパン生地で巻き込んだ、一度食べたら癖になる、台風銀座の宮古島生まれ「うずまきパン」。それは宮古人のアイデンティティと呼んでも過言ではない、そんな絶大な人気を誇る宮古のローカルな菓子パンです。「うずまきパン」シリーズの第二弾は、パン工場へと極秘潜入?し、その人気の秘密を探ってきました。(文・写真/D介)

MISSION1:京屋製パン所に潜入せよ!

今回訪ねたのは市内中心部に位置する、創業四十有余年の「京屋製パン所」さん。
入口のガラス戸を開け、工場の中へ一歩足を踏み入れた瞬間から、焼きたてのパンの美味しいそうな香りが漂い、鼻腔を刺激してくれました。もうこれだけでパン好きとしては、ノックアウトされそう…お腹がいっぱいになりそうです。
「京屋製パン所」さんは、規模こそ決して大きくはありませんが、家族的な親しみやすい雰囲気に包まれて、永年この地でパンを焼き続けてきた職人一家のような風格が、そこはかとなく感じられ、まさしく由緒正しい「島のパン屋さん」っといった感じです。勿論、こちらでは「うずまきパン」だけを作っているわけではなく、食パンやさまざまな菓子パンが、職人さんの手によって産み出されては、島中の食卓へと届けられています。

■うずきまパン事始
今や島の名物ともいえる「うずまきパン」、その誕生のいきさつを簡単ではありましたが、「京屋製パン所」さんから聞かせていただくことができました。
ふんだんに甘いクリームを使ったケーキは、当時とても贅沢な品で、そうそう食べる機会もない憧れの的、甘いおやつのパンといえばアンパンが定番でした。

そこでケーキに使うパタークリームをパンに塗り、ケーキようなパンならば、安くて甘くて美味しいおやつな菓子パンになると、考案されたのが始まりだったとか…。そして京屋さんでは二十数年前から、うずまきパンを作り続けているそうです。

■MISSION2:うずまきパンの作り方を探れ!

さまざまなパンを焼き上げている、忙しい時間帯ではありましが、工場内にお邪魔して、「うずまきパン」が出来るまでを、特別に実演していただきました。

1.パン生地
いくつもの棒状にした生地を隙間なく並べて焼きあげられた、この波型をしたパンから「うずまきパン」が作られます。実はこれ、京屋製パン所さん独自のアイデアが隠されています。この波型はパンを巻きやすくするための工夫と、出来上がった時のデザインが美しく映えるようにという、ふたつのポイントが盛り込まれています。

2.バタークリーム
どーんと釜いっぱいに作られた、京屋製パン特性のバタークリーム。このバタークリームはあのジャリジャリ感がないことが特徴で、とても滑らかで甘さもほどよいバタークリームが使われています。波型のパンをひっくり返し、平らな面にバタークリームを、手際よくヘラで塗ってゆくのですが、素早く均等に塗る、ベテランのパン職人の技が光っています。

3.巻き
海苔巻きの要領で手前からクルクルとパンを丁寧に巻いてゆきます。ここでもパン職人の鮮やかな手つきに感服です。

4カット
長いパン包丁で不ぞろいの「耳」を切り落としてから、うずまき専用のゲージを使って、均一の厚さになるように、ひとつひとつ手作業でカットしてゆくと、待ちに待った「うずまきパン」の完成です。カットされた「うずまきパン」は、丁寧に袋詰され、島中へと出荷されてゆきます。

■MISSION完了!!

早速、作りたての「うずまきパン」をいただいてみました。ふわっと柔らかなパンと特製のバタークリームは、やはり無敵のコンビネーションですね、改めて「うずまきパン」の虜になってしまいました。

京屋製パンさんにご協力いただき、宮古生まれの魅惑の菓子パン、「うずまきパン」の製作行程を特別に見せて頂き、「うずまきパン」の渦の中には、キラリと光る細かな技があることを知り、更なる「うずまき道」(そんな道があるのかぁ? きっと螺旋状の道だはず)を極めてみたくなりました(笑)。

■取材協力:
 京屋製パン所
 沖縄県宮古島市平良字下里939−2番地
 TEL.0980-72-2431
 ※購入は島内のスーパーなどのパンコーナーにてお求めいただけます。